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全人類、蒼穹のファフナーを見ろという話

何を隠そう、私はロボットアニメが好きなんですが、いくつか見てきたロボットアニメの中で今でも心を奪われている作品が蒼穹のファフナーシリーズになります。
蒼穹のファフナー」は2004年にTV第一期(Dead Aggressor、無印とも呼称)が放送された作品で来年には放送20周年を迎える行ってみれば昔の作品になります。
そんな作品についてなぜ今語るのか?というと、「蒼穹のファフナー」シリーズはその後期間を空けつつもアニメシリーズが続き、TVシリーズが2つ、TVスペシャルが1本、劇場版が1本、OVAが2本と公開され、
つい5か月前の今年1月に最新策となるOVA作品が劇場で先行公開されたとこです。

まぁそんな息の長いシリーズなんだなぁという感じなんですが、直近で公開された作品がいずれもOVA及び劇場先行公開の形で興味はあるけどレベルの人が見やすい状態にあったとは言いづらかったりします。
そんな人々に朗報なのは、シリーズ完結編ともいえるOVA蒼穹のファフナーBEYOND」が今年7月からTV放送されるとのニュースが入ったわけです*1

ちおなれば、これに向けて今からファフナーシリーズを履修しようかという人々もいるはず。
しかし気を付けてください、ファフナーシリーズは上述のとおり作品が多いうえに、万が一順番を間違えるととんでもないことになるシリーズでもあります。
というわけで「蒼穹のファフナー」シリーズ完走した身として、シリーズの流れと「最悪どの作品だけ見ればいいのか?」などの必須度など紹介したいと思います。

 

ファフナーシリーズの見るべき順番

最初に行っておきますが、全作品を公開順に見るというのが至高だと私は思ってます。

まず初めにファフナーシリーズの概括を示しましょう。
上図は左側が作品の公開順、右側が作中時系列順に並べたもので、TVシリーズが青色、劇場版がオレンジ、緑色がOVAと色分けしています。
御覧の通りおおよその作品公開順と作中時系列はおおよそ一致していますが、赤で囲ったRIGHT of LEFTとBEHIND THE LINEの2作品については公開順で言うところの過去エピソードとなっており、時系列がさかのぼっています。

その関係上、基本的には公開順に見ることで劇中での出来事・歴史を追体験できる構造になっているものの、時々時系列をさかのぼったエピソードが登場するという具合になっています。
こういった場合「完全に作中時系列でみた方が理解しやすいのではないか?」という考えも浮かぶのですが、今回紹介するファフナーシリーズでは2つの理由でそうとは言えません。

1つはアニメーションの出来栄えの問題。
蒼穹のファフナー(無印)は2004年のTVロボットアニメ、しかも主役メカたるファフナーが他にあまり例がない独特な形状というのもあり、お世辞にも作画が良いという作品ではありません。
シリーズとしては劇場版HEAVEN AND EARTH以降、ロボットシーンにCGを積極使用することで戦闘シーンのクオリティがアップしています。
その劇場版と無印の間に挟まるRIGHT of LEFTについてはTVスペシャルということもあり、手書きアニメ主体でありつつも劇場版にそん色ない戦闘シーンとなっています。
そんな関係で「無印→RoL→HaE」で味わえた作画レベルの向上の実感が「RoL→無印→HaE」では味わえないどころか、良い作画を知っているだけに無印の視聴が困難になると思われます。

2つ目は過去エピソードがその後の出来事を踏まえた内容になっていること。
言ってみれば「将来起きる出来事の重みを増すための補完エピソードとしての」重みが大きいわけです。
RIGHT of LEFTは無印での皆城総士の立ち振る舞いの理由付けを、BEHIND THE LINEではEXODUSで再び波乱に巻き込まれる登場人物たちの失われる日常を描くことで、「そういう意味だったのか」「でも将来的には…」と意味づけが増すわけです。
そういう意味では過去エピソードを見てからの方が本編での出来事を最初から深い理解度で見れるとも言えますが、まぁ個人的には引っ掛かりがある状態で過去エピソードで答えを得る、という方が衝撃が大きくて楽しめるのではないか、と思う次第です。
それに少なくとも本編に関しては過去エピソードを踏まえないでも説明不足があまりないように作られているはずなので視聴に問題はないですしね。

というわけで基本的には作品公開順に見るべし、ではありますが2作品だけ過去エピソード的な作品があることを認識しておくこと、が必要なわけです。

BEYONDを見るにあたって最低限見るべき作品

とはいえ「BEYONDを見たいけど全部見る時間がないor全部見ることができない」という場合もあるでしょう。
そういう意味でBEYONDを見るにあたって最低限視聴が必要な作品を上げるとすれば、『無印』『劇場版HaE』『EXODUS』の3つになります。
この3作品についてはシリーズの根幹をなす作品であり、どうしても抜くことができません。
主要登場人物が初登場する無印は勿論ですが、HaEとEXODUSでの出来事を踏まえていないとBEYONDの状況がさっぱり理解できないという状態に陥るので、この2作品も必須です。
おそらく『無印』→『EXODUS』も『無印』→『劇場版HaE』→『BEYOND』も状況が変わりすぎて理解できない。

逆に言うと、過去エピソードは最悪スキップしても良いという意味ですが、それは上記の通りあくまで補完エピソードなので知らなくても最悪お話の流れを追えるという感じです。
とはいえ、特にRoLに関してはファフナーシリーズでもかなり重要なエピソードを扱っているので、これを踏まえておいた方が作中の細かいところでの解像度は高まるとは思います。

蒼穹のファフナーは何が良いのか

ここまで「見たいのであればどうすればよいのか」を説明してきましたけど、ここで改めて個人的なおすすめポイントをいくつか・

  • ロボットの戦闘シーン

やはりロボットアニメであるがゆえにロボットに関する比重は大きいわけです。
前述した通り、独特なメカデザインもあって無印での戦闘シーンは同世代の作品と比較しても優れているとはあまり言えないのですが、シリーズを通してみると、特に劇場版HaE以降は圧巻の一言。
CGによる迫力とスピード感のあるアクションだけでなく、要所では手書きを用いるメリハリがとても良いです。

  • ストーリーというかキャラクター

ファフナーに関してはストーリーの進行が凝っていたり目新しい展開がある、というわけではないんですが、登場キャラクターの成長・変化が丁寧に描かれています。
特にメインキャラクターである真壁一騎遠見真矢皆城総士の3人に関しては少年から成年への成長が丁寧に書かれていて、感情移入してみるとBEYONDまで到達したときにはもう感慨深いでしょう。

というわけで全人類、蒼穹のファフナーを見よう。
けして先延ばしにしていたらBEYONDのTV放送直前になってしまったというわけではない。