夢と現と解析と

自分の好きなことについて書くブログです

MENU

にじさんじ時間帯別視聴者数解析

以前、にじさんじ所属のVtuberについて配信が行われている時間帯についての解析を行いましたが、そちらに関しては配信者がどのような時間を選んで配信をしているのかに関する解析となっていました。
今回は配信の視聴者数に関する同様の配信をすることで、視聴者がどのような時間帯を選んでいるのか?について解析したいと思います。

今回用いたデータは2023年4月10日から5月4日までに行われたにじさんじライバーによる配信について解析しています。
手法の性質上データに抜けなどあり不正確な場合もあるためご了承ください。
また、一定期間のデータについて平均を取ることで一般的な特徴を見出そうとはしていますが、突発的イベント(大規模な大会やライブなど)を省くこともしていないので、その影響が反映し、考察については検討が外れている可能性もありますので、そこもご了承ください。

 

各時間帯の視聴者数の計算法

今回行う解析で用いる元データは各ライバーのチャンネルで実施された配信の1分毎の視聴者数推移のデータになります。
1分毎のデータでは細かすぎるため、同データを1時間ごとのデータに集計しなおします。
その際の計算法としてはA時00分~A時59分までの視聴者数のデータの中央値を「A時の視聴者数」として用いることにします。

上画像は変換例として4/10に配信された鷹宮リオンさんの配信での変換例を上げています。
もともとの1分毎の視聴者数推移は青い点線で示した推移で、16:08から21:33にかけて細かい振動がありつつ漸近型の変動を示していました。
図中の灰色の縦線が各時間帯の仕切りとなる線で16時台~21時台までの6つの区分に分けられます。
各区分内で引かれた青い横線がその区分中の視聴者数の中央値で、各数値がこの配信の各時間帯の視聴者数と定義しています。

今回のケースでは配信開始直後の16時台のみ視聴者数が少なく、17時代以降はほぼ安定した視聴者数だった、という例になります。
配信開始直後の視聴者数の増加については、視聴者が配信に訪れるまでのタイムラグとも言え、これであれば全体の中央値を「配信自体の視聴者数」として採用し、全時間帯にその視聴者数がいたと定義することも定義の仕方としてはアリだとは思いますが、このような定義では配信中に視聴者数の変動が起きる場合に問題があります。

上図は同じく4/10に行われた椎名唯華さんの配信での視聴者数データですが、こちらの場合配信中に視聴者数が1200人~2000人程度まで大きく変動しています(APEXの配信などでよく見られます)
この配信において全時間帯を全体の中央値(1600程度?)とした場合、0時台では‐300人ほど、2時台には+300人ほどの誤差が実際の視聴者数と生じます。
このような例を踏まえて、各時間帯ごとに中央値を出す手法を用いています。

時間帯別合計視聴者数

まず初めに調べたのは各時間帯における合計視聴者数について。
計算手法としては、ある1日に行われた全配信について各時間帯の視聴者数を上記の手法で計算し、時間帯ごとに足し合わせます。
の後集計期間中のデータについて、平均を取ったものが上のグラフとなります。
0~24時の表示では0時と23時頃にピークがある凹形状ですが、時間帯をずらせば23時にピークがある凸形状の分布をしているといえるでしょう。
ピーク時の総視聴者数としては12万人程度となっています。
YouTubeの視聴者数としては1人(アカウント)が複数の配信を同時に見る複窓などもあるため、単純な合計が「=総視聴者数」と判断しかねるところはありますが、
複窓勢の規模にもよりますが、一応「23時頃をピークに最大10万人程度がにじさんじを視聴している」と言ってもよいかもしれません。

ピーク以外の推移に目をやると、増加が始まるのが20時台から、翌1時台から鋭く減少して底を打つのが3時台ごろという感じで、視聴者数のピークタイムとしては20時~翌1時台という感じでしょうか。
それ以外の時間帯としてはほぼ一定数という感じですが、4~11時台が一番視聴者が少ない時間帯で、昼頃から視聴者が増え、13~17時台が午前中と比べると少し多いという感じでしょうか。

これらの「日付変わるごろがピーク」「午前中<午後」という傾向は依然解析した配信数の推移も同様でした。
こちらに関しては単純な合計というのもあり、配信数と総視聴者数に相関があるのは当たり前と言えます。
ただし、それぞれピークを迎える時間帯が配信数は23時台、視聴者数は22時台とわずかなズレがあるようではあります。

時間帯別平均・中央視聴者数

上述のとおり、配信数と総視聴者数については単純な相関があるとは思われるのですが、「より視聴者を集めやすい時間がいつか?」についてが気になるところではあります。
よって上図では各時間帯の配信について視聴者数の平均値(青)と中央値(オレンジ)について調べてみました。
まず平均値を見てみると大まかには配信数・総視聴者数と同じ24時頃の凸型推移をしていますが、ピークとなるのが21時台の3000人台で、底を打つのが8~10時台の1700人程度となっています。
配信数自体は23時台、総視聴者数は22時台でしたが平均としてはさらにズレた21時台が最も多い当たり、「視聴者数が増え、かつ競合となる配信が少ない」という時間帯が21時台ということのようです。

一方で中央値としては平均値よりも低い数値となっており、変動自体もかなり小さいことがわかります。
このような欠陥になったということは視聴者数の分布が大きく広がったものであり、かなり視聴者数が多い一部の配信の数値に引っ張られて全体平均が上がっているということでもあります。
そういう意味では「同時間帯で最も多い視聴者数」の実態としては中央値の推移の方が正しいと思われます。
で、中央値の推移をみると18時~翌6時までが比較的高い時間帯となり、7時~17時までが低い時間帯ですね。
18時~24時については配信数なども多い時間帯で、配信数も視聴者数も多い時間帯という感じですが、24~6時の深夜帯は配信数自体は少ないものの意外と視聴者が多いようです。
逆に言うと早朝~昼過ぎまでについては配信も少なく視聴者もあまりいない時間帯のようですね、これに関しては一般的に仕事の時間帯ということも関係があるかもしれません。

また早朝時間帯(7~10時)を見ると平均と中央値であまり差がない時間帯になっています。
上述の特徴を踏まえれば同時間帯は特に視聴者が集まる少数の配信枠というのが少ない時間帯であるといえます。
そのような見方をすれば、平均と中央値の差が大きい21時台ごろが「一部の配信に人が集まる=人気の高い配信が行われる時間帯」ということも言えるかもしれません。

時間帯別視聴者数規模割合

上述のとおり、配信間での視聴者数のばらつきが存在することが判明したので各時間帯での視聴者数分布を割合で調べてみます。
上図は各時間帯で、0~1000人/1001~2000人/2001~5000人/5001~10000人/10001人以上の配信があった件数割合を示した図となっています。
こうしてみると2000人未満の配信が半分程度を占めていることが分かりますが、3~6時台に関しては1000人未満と2000~5000人の配信数が同程度となっていることもわかります。
また2000人以上の配信の割合で言うと20時~翌5時台までが約40%を占めており、この時間帯が視聴者数が多い時間帯と言えるかもしれません。

上図は先ほどの図の80%より上の部分を切り出したものです。
5000人以上の配信については8時~14時がかなり少なく、20~翌7時台にかけて10%程度の割合を占めており、この時間帯が視聴者数数千人の配信が多い時間帯と言えるかもしれません。
また1万人以上の視聴者数の配信となると、5000人以上の配信と比較すると深夜帯での件数が少なく、15~24時台に多くなっています。
1万人以上の配信割合が多い21時台は、先述の平均・中央値の差が最も多い時間帯と一致しており、そこで述べたように21時台が人気の高い配信が最も多い時間帯であるという推測の裏付けと言えるでしょう。
これらの結果を見るに20時~24時頃が視聴者が特に集まりやすい時間帯と言えるかもしれません。

まとめ

今回の解析をまとめると

  • 総視聴者数は22時台にピークを迎え約12万人程度
  • 平均・中央視聴者数は8時~16時台が少ない
  • 20時~24時にかけて視聴者数が特に多い配信が固まっている

となりました。
前回の配信枠数に関する解析でもありましたが、早朝~昼にかけてがそこの時間帯、夜~深夜にかけてがゴールデンタイムという認識は間違いないようです。
今回新たに得られた知見としては、より細かく見ると21時台が特に視聴者数が多く、にじさんじの中でも限られた人気の配信が良く行われる時間帯であるということが数値で表せたと思われます。
分量の問題で今回は全体解析でしたが、曜日ごと・地域ごとの解析も有意義だと考えているので今後実施したいと考えています。