夢と現と解析と

自分の好きなことについて書くブログです

MENU

にじさんじ時間帯別配信数解析

これまでもにじさんじ所属のVtuberについて配信中の視聴者数に関する情報を取得してきたわけですが、今回からはここまで取得してきたデータをつかってにじさんじで行われている配信について解析していきたいと思います。
今回のテーマとしては配信が行われている時間帯について。
見ている側の体感としても配信が重なる時間帯やほとんどない時間帯という体感はあるかと思いますが、それを集計したデータで数値化してみる試みです。

今回用いたデータは2023年4月10日から5月4日までに行われたにじさんじライバーによる配信について解析しています。
手法の性質上データに抜けなどあり不正確な場合もあるためご了承ください。
また、一定期間のデータについて平均を取ることで一般的な特徴を見出そうとはしていますが、突発的イベント(大規模な大会やライブなど)を省くこともしていないので、その影響が反映し、考察については検討が外れている可能性もありますので、そこもご了承ください。

 

時間帯別配信数ー全体ー

まず初めに集計したのは時間帯別の配信数。
各時間帯にあった配信数について1日当たりの平均値を算出しました。
今回の記事では以降配信のグループ分けで絞り込みなども行っていますが基本的には同様の方法で計算を行っています。

まず集計期間中の全配信についての計算結果を示したのが上図。
縦軸が各時間帯での平均配信数、横軸が各時間帯(日本標準時JST)になっています。
平均配信数の推移としては凹型、というよりも横軸をずらしてみれば24時頃をピークにした凸型の分布になっていることが分かります。
これに関しては視聴者側の体感とズレがなく、深夜・日付が変わるあたりが配信のゴールデンタイムであるという状況があるようです。

またその増減のタイミングを見てみると、午後8時あたりから配信数の増加が見え、一般家庭で言うところの帰宅して食事を終えたぐらいのタイミングが狙いどころというところでしょうか。
対して日付をまたいだ後については0時台から2時台にかけてかなり急峻に減少が見えます。
その後の深夜帯~昼までについては配信数があまり増加することがなく、それと比較すると昼以降~夕方までにかけての方が配信が多い傾向があります。
これらを踏まえるに「ゴールデンタイムは20時~2時ごろ」「午前と比べて午後の方が配信数が多い」という傾向にまとめられます。

このような推移に関して比較対象として、総務省がまとめている「ICTサービスの利用動向/主なメディアの利用時間帯」を参照してみます。
同ページには平日・休日におけるテレビ・ネット・新聞・ラジオなどのメディアの時間帯別行為者数がグラフ化されています。
言ってみれば上に示した図に近い推移を示すはずですが、結果から言うと上のグラフは総務省の示したデータとあまり合っていません。
総務省提示データの「ネット利用」のグラフに関しては大まかに7時~23時ごろにかけて利用者がほぼ一定の推移を示し、21/22時頃に一度ピークを迎えるような推移になっています。
そういった意味では、テレビ(リアルタイム)視聴のグラフの方が時間帯による増減が見えて形状的に近いといえますが、こちらは朝7時台と夜20時台にそれぞれピークがあり、ピークを迎える時間帯が異なります。
そういった意味ではVtuberの配信は性質としてはネット利用というよりもテレビ(リアルタイム)配信のような性質を持ちつつも、そのゴールデンタイムがずれていると結論付けられるかもしれません。
ただし総務省のデータに関しては「13歳から69歳までの男女1,500人を対象(性別・年齢10歳刻みで住民基本台帳の実勢比例。2020年度調査には2020年1月の住民基本台帳を使用)に、ランダムロケーションクォータサンプリングによる訪問留置調査で実施*1」とあるので、調査した層と比べてVtuberの視聴者層がかなり偏っているという可能性はあります。

時間帯別配信数ー曜日別ー

続いて曜日別に分けてデータをプロットしたものが上図で、左上から順に月曜日(Mon)~日曜日(Sun)になっています。
全体傾向でみたとおり、どの曜日にしても24時頃を一つのピークにした分布になっていることが見てわかると思いますが、その高さについて多少の違いが見て取れます。
顕著なのは月曜日(Mon)で、他の曜日ではおおよそ0時付近と24時付近の高さが30~40件程度と高いのに対し、月曜日のみ0時台の配信は20件弱と低い数値になっています。
おそらく週明けの深夜ということもあり、仕事に向けた休養・睡眠の方が優先されがちなのか、配信する側としても配信をすることが控えられていると考えられます。
その理屈であれば同様の傾向は土・日以外であれば起きてもおかしくない気はしますが月曜日でのみ起きているのは少し面白い感じはします。

また、「午前中<午後」の傾向についてはどの曜日でも共通ですが、火曜日(Tue)日曜日(Sun)でより一層その傾向が強いというのも見て取れます。
その理由については現状あまり思いついていません。

また土曜日(Sat)の推移については午前中8時頃で配信数の増加が始まり、夕方18時ごろから24時のピークに向けての増加が始まる傾向もあり、他の曜日とは異なる傾向も見れます。
週末休み1日目ということもあり、比較的早い時間からの活動を行うライバーが増えやすいのかもしれません。

時間帯別配信数ーグループ別ー

続いては各ライバーの所属グループ別での平均配信数について、現在のにじさんじENと以前まで分かれていたにじさんじにじさんじKR・にじさんじIDの4グループについて、出身ライバーごとに分けて集計を行いました。
結果から言えばJP/KR/IDの3グループについてはこれまでとほぼ同様の「24時ピーク型」の分布をしていました。
ただしKRに関しては朝8時台に配信が定期的に行われている形跡があります。
この3グループに関してはライバーの主な活動地である日本・韓国・インドネシアに関してはほぼ時差がなく(インドネシアと日本の時差は2時間)、ライバー及び視聴者の活動時間帯がほぼ同じであることが似た配信数推移につながっているかと考えられます。

一方特徴的なのはENに関してで、24時頃のピークに加えて12時ごろにも同程度の配信数のピークがあります。
ENとほかのグループの違いとしては所属ライバーの所在地がかなり分散していることで、北米やヨーロッパ、日本在住のライバーもおり、それぞれの生活時間帯の違いが表れているのだと考えられます。
ヨーロッパで約7時間、アメリカで13時間程度の時差と考えるとピークが3つに分かれてもおかしくない気はしますが、
現状として「日本周辺のファン層」と「北米周辺のファン層」それぞれのゴールデンタイムに合わせて配信を行っているのではないか?という感じはします。
実際にどういう国・地域の視聴者層が存在するのかは調べられませんが、時間帯から推測するとしたら上のデータは役に立つかもしれません。

まとめ

  • にじさんじ全体の配信数としては24時をピークとした推移を示す
  • にじさんじENに限れば12時と24時の2つのピークを持っている
  • 曜日ごとの差異はわずかなものといえる

今回は配信者側の視点、「いつ配信をするのか」に着目した解析でした。
この視点に関しては「配信者が活動しやすい時間帯はいつ頃なのか?」を探る役に立つかと思いますが、一方で「配信者が『いつ配信をすることが視聴者を引き付けるか』と考えているのか」という思考を窺う一端にもなるかなと思います。
次回は視聴者側の視点として視聴者数に関する解析をしたいと考えています。