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Youtube配信視聴者数解析について

Youtubeライブ配信をよく見ることがあるのですが、Youtube配信における視聴者数(同時接続者数、同接数)はその配信の性質を調べる上で多様な情報を持ったものです。
同じ配信者であってもゲームが異なればその値は変わり、また同じゲームであっても配信者によってその値は変わりうることはよく見られます。
本ブログでは今後それについて解析していくつもりですが、まず今回は配信における視聴者数の推移の典型例と、本サイトで各配信の注目度指標とすいて視聴者数最大値ではなく視聴者数中央値を用いる理由について述べます。

 

視聴者数推移の典型例

まず初めに100件程度の配信の視聴者数推移のデータを得た結果、その推移は大まかに分けて4つのタイプに分けられそうです。

①漸近型

後二つの例にも共通する点ですが、YouTubeの視聴者数は開始直後時点は低い数値から始まることが多い。
その後増加していき、ある程度の時間が経つとある程度の数値に漸近する。
値が安定するまでの時間は配信にもよるがおおよそ30~1時間の間という感があり、配信時間が短い場合は安定する前に終了するためか、増加途中で終了するケースがある。
このようなケースを除いて多くの配信ではその後ある程度安定した視聴者数のまま配信終了まで値を維持する。
これは時間経過により視聴者が離脱する要因がないということが考えられます。

②凸型

①と異なるタイプとして配信開始時直後の増加後、緩やかに視聴者数が減少していくケースも見られました。
これをグラフの形状から凸型と呼びましょう。
①と比較した際に、何らかの理由で視聴者が配信を閉じる理由があるということになりますが、例えば上に示した配信は2023年3月27日(月)の夜9時より開始され、翌3時までの長時間配信となっている。
平日深夜の配信であれば遅くなるほどに視聴者が離脱しうる要因となることが分かります。
一方で深夜帯の長時間配信であってもこのケースに当てはまらない配信・配信者も確認されており、これについては要解析。

③スパチャ読み移行型

今回集計対象としているVirtualYouTuberの配信においては配信で投げられた投げ銭(スーパーチャット)への感謝・反応を行うための時間が配信の終盤に設けられる場合がある。
言ってみれば配信の本編が終わった事もあり、このタイミングで大きく視聴者数が減少する。

④振動型

現状多く行われているFPSゲームであるAPEXの配信ではこれらと違う特徴として視聴者数の振動が見られる。
上で紹介したものと異なり、その規模は異なるが視聴者数がほぼ一定に安定することがなく細かな振動を見せることがある。
同現象の原因については現状不明であるためそのメカニズムについて調査が必要である。

 

配信の指標について

視聴者数は配信の注目度などを表す指標として用いられるが、上述した通りその値は経過時間で変化し、また配信の種類によってその推移の様子は異なることがわかった。
このように推移が異なる配信に対して、配信の注目度を視聴者数で表す場合、どこの数値をその配信の指標として用いるべきか?というのが重要になります。

本ブログではその数値として「配信中に視聴者数の中央値」を用いることにします。
上で紹介した「①漸近型」のように配信後半でほぼ視聴者数が一定になるものを基本とすると、この場合配信の注目度事態は一定値に安定した時の値が配信の注目度として妥当ではないか?と考えます。

例えば「①漸近型」の配信で、中央値を緑の点線で、配信中に中央値を初めて超えたタイミングから最後に越えたタイミングまでの期間を緑の領域で示したのが上の図。
視聴者数が安定した時の数値と中央値はかなり近く、また中央値超え領域はこの安定していた期間と一致しています。

続いて「③スパチャ読み移行型」では中央値と視聴者数が安定した時の値は多少差異がありますが、スパチャ読みに移行する前までの安定している期間と緑の領域はよく一致していると思われます。

続いて「④振動型」ですが、このタイプの特徴として瞬間的に視聴者数が増減することがあり、上の配信だと一時は1.1万人の視聴者がありました。
しかし振動の中心を見るとおおよそ1000人程度の幅での振動をしながら8000~1万人あたりを推移しています。
それを見ると中央値は、③スパチャ移行型と同じく低めに出ている感はありますが、配信後半に視聴者数減る前の領域を選択できているかと思います。

最後に凸型ですが、こちらに関しては特徴として最大値と中央値の幅が他と比べても大きくなることが挙げられます。
そういう意味で最大値で各配信を比較する際とはかなり印象が大きく変わると思われます。

ここまでの例を見ると各配信の視聴者数の代表地として「最大値」と「中央値」つかうことの差異こそわかれど後者を使う理由にはなっていないとは思いますが、今回中央値を使おうと思った理由として、時折視聴者数推移にノイズのような急激な視聴者数変動が観測される場合があったためです。

上の2配信はノイズが表れた例ですが、左は漸近型、右はスパチャ移行型の配信ですが、いずれも視聴者数が安定したタイミングで視聴者数が一時急増・急減するタイミングがありました。
急減については配信が一時オフラインになるなどの原因が考えられますが、視聴者数の急増については現状理由については定かではありません。
いずれにしろ、各配信の最大値はこの急増したタイミングのピークとなるわけですが、これらの数値は各配信で視聴者数が安定した領域での値とは大きく異なります。
そういう意味ではこの安定したタイミングでの視聴者数を配信の注目度の指標とする方針からかけ離れてしまうわけです。
一方中央値ではこれらのノイズに影響を受けておらず、安定したタイミングでの視聴者数に近い値を取得できています。

これらの結果を踏まえ、配信まとめでは最大値に加え中央値も調べ、各配信の代表値としては基本的に中央値を使うことにします。